年末。ちょっとしたギフトを探しに、秋葉原と御徒町のあいだの高架下にあるAKI-OKA ARTISANに行こうと思ったんだけど、たまさかTwitterから近所で模型の展示会をやっていると知り、足をのばしてきました。テングモデラーズの第3回展示会『船モケイ』です。その名の通り、艦船のプラモデルしばりの展示会。
会場の 3331 Arts Chiyoda(アーツ千代田3331)は、使われなくなった古い中学校の校舎を利用して作られた民営の文化施設。校庭はちょっとした公園になっていて、こんな下町にこんな施設が、と驚きました。
ギャラリーは1階の、ガラス張りのコミュニティスペース。あいにくの雨だったけれど、それでも柔らかな日差しに照らされた模型は、みな美しかったです。なお、写真は暗かったため補正をかけています。
清水 圭 氏の1/350 雪風による『帰国航』。
第二次大戦を生き延びた有名な艦で、終戦後に復員船として使われた時の情景らしく、砲がついていません。それよりなにより、波のディティールを見るのが楽しい!
同じ洋上模型で、岩井秀 氏の大和。砲撃の中を走る姿。
大和といったら凝縮された砲群の密度感ですが、こちらも水煙の造形など、船の周りをじっくり観てしまいました。以前浜松ジオラマファクトリーで『風景の作家展』を観たときも思いましたが、静止した水を模型で、それもミニチュアで作るって、すごくアンビバレントな面白味があります。
そうかと思えばこんなユーモラスな造形も。NPG氏による『Man O War』。
フジミのディフォルメ赤城を被ってるのは、大将モデリングの東郷平八郎 1/9バストモデル。この顔。
SF系の造形もたくさんありました。個人的に目を引いたのは、チャーリー氏の『甲鉄艦サンダーチャイルド』。ウェルズの宇宙戦争! 三本足のウォーマシーン! 光る!
サンダーチャイルド号は『三笠』からの改造。世界初の搭乗式巨大人型ロボット(ただし火星人型)というべきウォーマシーンはスクラッチとのことで、鋭角な三角形の頂点にそれぞれモノアイのつくデザインは目新しく、説得力もありすごく好み。
こちらはマウ下氏の、鉢の水植えの上にセットされたネッシーとの遭遇モデル。ボートが揺れます。
でもこれ1/35のフィギュアとスクラッチの恐竜で、どこが艦船模型かというと、1フィギュアたちが水に浮かべて遊んでる小舟(右下)が、タミヤの1/700艦船模型のタグボート。
そして、水の躍動感がすごかった、関口コフ氏の『特務駆逐艦 天霧 昭和18年8月2日深夜未明』
天霧の下には、文字通り踏みつぶされるように米国の魚雷艇が見えます。魚雷艇の艇長はこの遭遇戦を生き延び、のちに米国の大統領になります。まさに歴史の重みを感じるドラマチックな一瞬。
ほかにも、様々な船と波の造形を見ることができました。眼福眼福。勢いがついたので駅前でこの日発売だった『スーパーXII』のプラモデルを買って帰りました。だって設定上は船だし。スーパーXII。