承前。ドイツレベル 1/72 T-90A 完成しました。
ほぼ無改造、ヒケ修正なども無し。筆塗り。気楽さ優先。
ゴテゴテした戦車だけに、側面の追加装甲とかスモークディスチャージャーとか、べろんべろんの接着なのがバレバレ。すっごいナナメってます。ま、ミニスケールだし。
組み立てあれこれ
全景。ロシアの道路風のベースにのっけただけです。
RevellのT-90A、履帯は板状のものを「お湯でまげてくっつけてね」というものでした。これはこれでしんどかった! 片方やってみて、あんま意味ないじゃんと思い、もう片方はお湯につけずちょっとずつ曲げて形にしました。
1枚ずつ付けるヤツはセンターがズレズレになったり起動輪にちゃんと追従しなかったりするし、かといって最初から転輪にくっついてるヤツじゃリアルさに欠けるし、ゴム製はスケールが小さいせいで歪みまくるし……。1/72でストレスなく履帯を組めたためしがない。1/35でもないけど。
わずかな追加工作はアンテナのほかにもう2か所だけ。1か所は特徴的な砲塔正面両側の目玉状のユニット『シュトーラ1』。これ起動状態ではシールドが外れて、中にある赤外線投影機が赤く光るんですが、模型では元の造形が開なのか閉なのかいまいちわからない。
クリア塗装で起動時を再現するのも難しそうだったので、お椀型のプラ片をくっつけて削り、収納時の形態っぽく見せました。
もう1か所はドラム缶燃料タンクの上にくっつく、燃料パイプの接続部。ランナーと間違えてカットしてしまったので、これも小さな汎用プラパーツを使って、それらしく修復。が、実際はこんなでっかく丸ポチになってません。
もう1点、かなり手こずったのが、丸太にかかっているワイヤー。2本あって、それぞれ2パーツに分かれたものを、うまーく引っかけて接着してね、という制作指示。よくくっついたもんだ……。
アンテナは、もっと細い針金探さないとなあ。
塗装あれこれ
迷彩パターン・デカールは説明書にあった『北カフカーズ軍管区 ヴォルゴグラード 第20独立親衛自動車化狙撃旅団 (2010年)』です。
シタデルカラーの塗装、いくつかやってみて、現状はとにかくドライブラシでごまかそう! という心境なんだけれど、このサイズで迷彩なんてやれば、やっぱり筆の跡はもりもり出てしまうわけで。
エナメル塗料のウォッシュをかけて、その筆跡が逆に強調されたときはどうしようかと思いましたが、更に土色のフィルターをかけて色調をごまかしたら、ま、いっかという気になりました。筆跡対策は次回、もうちょっとモチベーションのあるときに頑張ろう。
センサーやら窓やらは、ハセガワの偏光フィニッシュを張ってます。奥まったところにあるけど、がんばってピンセットで押し込んで(先に張っておくという計画性がない)。ちっちゃいけどこの偏光フィニッシュがアクセントとなって、全体の塗装バランスが結構救われた感があります。
車体番号のデカールは本来"440"ですが、デザイン的にフィットしなかったので別の模型のあまりから、"112"を切りだして移植したもの。もともと付いていたのはちょっとサイズも見栄えも悪かったので。実際の部隊で122号車は、どこの所属なんでしょうかね?(気にもしてない)
タンク下に丸太んぼうをぶら下げてるのは、ベース機のT-72とおなじというか大戦期からの伝統みたいなんですが、筆塗りの丸太、最初は色が浮いちゃうんじゃないかとヒヤヒヤしたものの、塗ってみれば、それなりにフィットしました。
でも実機の写真を見ると、この丸太も迷彩色でばーっと塗っちゃってあるんですね。
真上から航空撮影っぽく撮るとアラが目立たず、特徴的なゴテゴテの車体構造もいちばんよく見えます。
最後に、同スケールの自動車と自衛隊10式戦車との比較を。
T-90と10式、同じ時代の戦車なのに、違う世界のものみたいに造形が違う。モビルスーツの模型でザクとGMを組んで並べて見ると、同じガンダムという作品内のマシンとは思えないぐらい意匠もボリューム感も違うんですが、現実の戦車でもこれだけ違うんだなあと、逆に感心します。
楽しかったけど、しかし時間がかかった……。別の模型が行き詰った、その息抜きのはずだったのに。
おまけ: 組み立て説明書 T-90A機体解説(粗訳)
ロシア陸軍の最新型戦車 T-90の第二世代モデルであるT-90Aは、1999年に生産が開始された。オリジナルのT-90との最大の違いは、新型のトラックエンドリンク、溶接砲塔、そしてエンジンにある。
主砲125mm滑腔砲に変更はなく、誘導ミサイルを含む様々な形式の弾体を発射できる。搭載可能な砲弾は45本で、そのうち22本は自動装てん装置の弾倉に格納される。低車高効果、コンタークト5爆発反応装甲、誘導ミサイルをかく乱するTShU-1 シュトーラ1自動防衛システムも、T-90から引き続き装備されている。
強力な735kw(1,000bhp) 12気筒ディーゼルエンジンにより、T-90Aは高い機動性を得ている。ロシア軍の主力戦車ではおなじみのリカバリーバー(丸太)はこの新型戦車でも車体後部に付けられており、支援なしで様々な悪路状況からの脱出が可能である。また、4.5mまでの水深であれば、簡単な事前準備のみで進入可能である。
車内は比較的窮屈な構造で、操縦手は車体中央部に座り、車長は砲塔右、砲手は砲塔左に座る。車長は12.7mmNSVマシンガンの操作も行う。7.62mm PKT マシンガンも主砲と同軸となる配置で装備している。
ロシア軍に配備されたT-90Aのほか、アルジェリアとアゼルバイジャンには輸出用バリエーションであるT-90SAが配備されている。