旅と模型

Gasoline's "Travel & Build" weblog

土浦・筑波の旅 Part2:宇宙センター、そして万博記念公園

承前。つくば宇宙センターに展示されている宇宙機は、とにかく巨大だ。ゆり、さくら、ひまわり、だいちと観てきて、その先にはもとりわけ巨大な機体、宇宙ステーション補給機 HTV“こうのとり”が垂直に置かれている。全長10メートル, 直径4メートル。国際宇宙ステーション(ISS)に物資を届ける為に開発された輸送機だ。

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輸送機なので、中身はとうぜん空洞の貨物スペースになっている。この大きさとなると、自動車とか物置といった喩えはそぐわない。ちょっとした漁船サイズ、まさしく船だ。この巨体を見てしまうと、宇宙機ではなく「宇宙輸送船」と呼びたくなる。

ただ塩水につかる船舶とは違い、真空中を進む宇宙機は流線型ではないし、メカニカルなパーツがむき出しになっている。展示品の黒いパネルは、実機では青い太陽電池だ。

数々の巨大宇宙機に取り囲まれるようにして、展示ホールの中央には、もっとも巨大な構造物が鎮座している。

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国際宇宙ステーションの日本実験棟“きぼう”、その模型だ。巨大すぎて一見して構造がつかめない。円筒形の与圧モジュールに加え、宇宙空間に露出する船外実験プラットフォームとマジックハンドがついている。

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そんな日本モジュールも、この宇宙ステーション模型の中央右側のパーツにすぎない。いままで国際宇宙ステーションの絵や模型はたくさん見たし、「サッカー場ぐらいの大きさ」という喩えもよく聞いてきたけれど、いま、はじめてその巨大さが実感できた。バカでかい! すごいすごいすごい!

中央の与圧モジュール群はちょっとしたアパートより大きいぐらい。青い太陽電池パネルも、1枚で自動車道路1車線ぐらいの幅がある。片側で4車線ぶんの幅。それが、両側についてる。高速道路が2本走ってると思うといい。

こんなものが、宇宙に浮いている。人類は凄いことをしてきたんだと、肌で実感できた。

ほかにも、HIIロケットのエンジン部分の配管構造がガッツリ拝めたり、その筋の人には見どころたっぷりだ。

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別棟には、ソ連国旗もまぶしいソユーズ宇宙船の再突入カプセルが展示されていたりする。

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さて、ひとしきり宇宙を実感したところで、このまま筑波エクスプレスで帰るのももったいなかったので、2駅先にある万博記念公園駅で降りて、EXPO’85 つくば万博の跡地に行ってみる。

万博記念公園駅を降りると、だだっぴろい畑が広がる。これぞ北関東! という風景だ。手に持ったSurfaceの地図で何度も方向を確認しながら、ガマの穂の揺れるさびしい細道をてくてく1kmぐらい歩いて、公園に出た。

 

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なんでもない緑地だった。

池がある。たしかに、85年に訪れたときも、池があった。記憶が次々とよみがえってくる。池は敷地のいちばん奥、ソニーのジャンボトロンのちかくにあったはずだ。なんで科学万博なのに、ふつうの池があるんだろう、と子供心に思った。

公園駅からだと、ちょうど万博の敷地の裏側に入るかたちになっていた。どうりてさびしいはずだ。現在の公園部分は万博の敷地のほんの一部で、かつてパビリオンが立ち並んでいたエリアは、工業団地になってしまっている。

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“科学の門”だそうだ。金属球の飾りは、四方から見るとそれぞれ違う科学者の顔がうかぶという。この写真はアインシュタインだろうか。ただ、このモニュメントは記憶にない。たぶん、こんな塔よりもっときらびやかなパビリオンや、リニアモーターカーがあったからだろう。

リニアモーターカーHSSTは、実用化されて愛知で運転された。ジャンボトロンは小型の量産タイプが、街中で見られるようになった。筆で字を書けるロボットは、工場で大量に動き、精密な組み立て作業に従事している。そして、巨大な宇宙ステーションが軌道を回っている。

考えてみれば、もう21世紀が始まって10年も過ぎた。科学万博の描いた未来の、さらに先の未来なのだ。

ただ、なにか寂しいものがある。

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