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練馬発 鞍馬行きの旅 Part1: 新幹線の海側車窓に左富士を見る

土曜日は京都で昼から結婚式。いつもの調子でいたら必ず寝過ごして遅刻する。どうせ行くなら思いっきり早く行って、式の始まる前にすこし観光してみることにした。

いろいろ計算してみると、ギリギリ行けるのは、鞍馬だ。

鞍馬山由岐神社拝殿

自宅最寄の練馬から鞍馬まで行って、11時半に京都駅横のリーガロイヤルに戻ってくるには、やっぱり始発の新幹線しかない。なんとか起きだして、西武池袋線練馬の5時5分に乗る。

練馬駅5時台

池袋に出たら、山手線で東京駅でなく品川駅へ。本来の東京始発“のぞみ1号”よりも7分早い、品川始発の“のぞみ99号”で京都に向かう。こんな裏ワザ的な始発があるなんて知らなかった。名前もイレギュラーな感じカッコいいね。

新幹線から見る日の出

海側の席(進行方向左側のA席)がとれた。車窓からは新横浜の手前で陽が登ってくる。陽光に照らされた東京の街は、ほんとうに美しい。

ただ、海側に座ると、山側(右側)にそびえる富士山は見えない。そこが残念なんだけれど、1か所だけ、海側で富士山が見られるポイントがあるらしい。

静岡県中部に生まれたので、この場所はなんとなく予想がつく。焼津の大崩(おおくずれ)のあたりだ。あのあたりは山が海までせり出してるので、新幹線、在来線、旧東名、国道150号の4線が、ぎゅっと絞られるように海岸沿いに寄せられている。新幹線の線路はほんのわずかのあいだ、この大崩に向かうためほとんど真南を向くことになる。

いまは新東名があるけれど、東海地震が起きてたらここで東西断絶だったはず。そんなことを考えていたら、静岡駅をすぎたあたりでぐっと右にGがかかるのが感じられた。大崩に向け、車体が南を向いたらしい。海側の窓から後方を見る。

すると確かに、富士山が見えた。

新幹線車窓から見る左富士

これを「左富士」というそうだ。この呼び方、新幹線どころか国道ができる前、東海道五十三次の時代からあった。考えてみれば当然、京に上る徒歩の旅でも、左側に富士が見えることは稀だったわけ。マニアックな鉄道トリビアだと思っていたら、意外な伝統だった。

さて京都。時間は8時5分。すっかり陽も登りこちらも快晴。

京都駅新幹線ホーム

そのままJR奈良線城陽行に一駅だけ乗って、東福寺駅へ。

奈良線城陽行

ここから京阪本線出町柳行きに乗り換える。クラシックな形状の京阪2600系

東福寺駅 京阪本線2600系

なにをどう間違えたのか、駅名を「出口柳」だと思ってた。終点だからかな?

地図を見るとここは鴨川の合流点。ここから上流、西側に流れるのを加茂川、東側を高野川と呼ぶそうだ。出てみるとたしかに、美しい流れが見える。こちらが高野川。

 出町柳駅から見る高野川

出町柳から鞍馬に登る叡山電鉄本線は、この高野川に沿うように登っていき、途中宝が池駅で鞍馬線に分かれる。小型のワンマン電車だ。

叡電・まんがタイムきららタイアップ

これは駅に停まっていたタイアップ列車。さいきんは何でもかんでもまんがとタイアップするな。

乗ったのは2両編成のデオ251号。ワンマンだから、バスのような後払い式の料金箱が運転席のうしろについていて、駅に着くたびに運転手さんが窓から降車客の切符を確認する。こういう方式もあるんだ。

叡電は市街地の線路を、するすると軽快に走り抜けていく。

叡電のレール

直線が長い線路だから、よけいに軽快な感じがする。のどかな市街地に、次第に緑が増え、山道になっていく。

鞍馬山 10月の木々

もう10月だけれど、午前の日差しに照らされる木々は、まるで初夏のようだ。

鞍馬駅ホームのデオ251号

9時15分、練馬から4時間10分で、鞍馬到着。

 

Part2につづく。