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秋の東京公園巡り その3: 六義園

こちらもすごく有名なのに、巣鴨・駒込という普段あまり行かない場所にある公園。巣鴨ですっぽん雑炊を食べた後(たいしたモノではなかった)、行ってみた。立派なレンガの塀の向こうには、これまた立派な池と庭が広がる。

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側用人柳沢吉保の大名庭園。紀伊の景勝を再現したものだそうだ。あいにくの曇天だったが、灰色の空ににじむ燃えるような赤が印象的。

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池の裏手の森をぐるっと周るようなコースになっている。同じ都立庭園なのに、汐留の恩賜公園とかと違って、売店の類が妙にしっかりしてるのも印象的。やはり客の数が違うということか。

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少し開けた所に出ると、わっと紅葉が目に飛び込んでくる。春はツツジで有名だそうだが、紅葉の巨大な木々全体が色づくリューム感には、圧倒させられる。

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それにしてもやたら混むと思ったら、紅葉の期間は夜間ライトアップもあるそうで、夕方になればなるほどむしろ人が増えるのだった。道は渋滞し、欄干のない橋を渡れば落ちそうになる。

公園の奥の水辺は多少おちついていて助かった。

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葉も見えず実もずいぶん落ちてしまったからわからないけど、これはムラサキシキブかな?

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せめてもう少し落ち着いて観られたらと思ったけれど、それはすべての人が思っていることだろう。立派な樹や池、築山や橋を望む光景は、どれも印象的だった。

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最後にしっかり、池のほとりの茶屋でお茶と和菓子をいただく。並んでいたけれど、待ち時間は少なくて済んだ。景色の良い席でシンプルな甘味を楽しんで、これにて今年の紅葉見学はおしまい。

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静岡の田舎にいた子供時代、公園を「造る」という概念がうまく理解できなかった。美しいと思える木も水も、ちょっと山のほうにいけば唸るほどあったし、空き地もいくらもあって、そこに遊具でも置けば公園だと思ってた。テレビゲームのシムシティを遊びはじめて、「お金をかけて公園を置くと周りの地価が上がる」というのが、最初不思議だった。

東京に住んで、公園を楽しむようになったいま、公園を作り、維持するというのは、本当に意義のあることなんだとわかる。ただ空き地に木が生えて美しいのではない。公園とは人の手で再生産された人工の自然であって、そのレイアウト、木や花の1本1本に、意味が込もる。そこが重要なのだと思う。公園とは本質的に、そこに置かれた自然が美しいのではなく、その背後にある人工的な行為が美しいのだ。「自然は美しい」に慣れてしまうと、人の営みの美しさ、貴重さが見えなくなってしまう。