旅と模型

Gaso Line's "Travel & Build" weblog

国立科学博物館 46億年の旅

春の金曜日。せっかくの平日休みだし、休日だと人が多くて入れない(入る気になれない)ところに行こうと思い立ち、上野に向かった。

f:id:debabocho:20130412181853j:plain

国立科学博物館。西洋美術館と迷ったけれど、二棟ある科博展示館のうち『日本館』はしっかり見たことがなかったので、こちらに入る。

f:id:debabocho:20130412181840j:plain

地球館の特設展は『グレートジャーニー:人類の旅』。人類の出アフリカから地球各地への進出、定住文化を描く。入口の印象的な展示は、タンザニア・ラエトリ遺跡の足跡。アファール猿人親子3人の足跡だという。 

この始まりに期待したものの、展示はすこし落胆するものだった。南米やアラスカなど、いかにもエキゾチックな感じのする地域の、乾し首や白熊のはく製など、インパクト中心の展示が続く。どことなく人間賛歌的で説教臭く、逆に科学的好奇心が掻き立てられなかった。どうやらテレビ番組との連動企画だったようだ。なるほど、そういう感じがする。

f:id:debabocho:20130412181820j:plain

『地球館』では、もちろん常設の恐竜も観る。カモハシ竜として知られるハドロサウルス科のヒパクロサウルス。やっぱりデカいなあ。首の高さはキリンと同じぐらい。でも肉体のボリュームが凄い。

f:id:debabocho:20130412181753j:plain

おなじみティラノサウルス

f:id:debabocho:20130412183837j:plain

いっぽうこちらは『日本館』。ごぞんじフタバスズキリュウ! 実物の大きさで見るのは初めて。思っていたより小さく感じるけど、それでも長さは7メートル、推定重量1.5トン。頭が小さいからそう感じるのかもしれない。美しい骨だ。

f:id:debabocho:20130412183823j:plain

こちらは古代哺乳類、パレオパラドキシア。名前からしてパラドックスとつく不思議な動物で、束柱類という、現生生物と似た部分がない独立した類だという。ジュゴンのような海生のようだけれど、脚は鰭になりきっていない。こんな「何にも似ていない動物」が、1,300万年前の日本沿岸にすんでいた。

f:id:debabocho:20130412183850j:plain

石の標本。

f:id:debabocho:20130412183904j:plain

そして江戸時代の天文儀。子午線や地平線、黄道などの環を組み合わせて天体の位置、地球の位置を測る渾天儀という道具だ。江戸時代の天文学は思いもよらず高度に発展していて、好奇心をそそられる。

そんなわけで、今回の展示見学はおしまい。恐竜の化石も、近世の天文文化も、どれも想像力を掻き立てられるものだった。